※このSTORYは全てフィクションです。実際の人物、団体、事件などには一切関係ありません。
「ミリン!あれを見てみろ!」
C野「えええええええええ!!!!!!」
そこでC野が目にした物とは...!?
ツルハシの鋼鉄部分をガリボリ食す視聴者達!!!!!

C野「うわっ!めっちゃ体調悪くなってますやん!」
「そうさミリン!世界で一番儲かる音楽は"ツルハシ売り"だ!!」
概念が喋っている。
楽しそうで何より。
これくらい皆元気だと、もっと良いのかもしれない。
いや、でも、ちょっと五月蠅すぎるか。
それはそれとして。
食べ物じゃなくても食べるんだ、という第一感があった。
理屈では分かる。今や大衆に人気の作品を二次創作する時代ではない。
先に二次創作用の作品があって、多くの二次創作者が乗っかることでより多くの大衆に認知される。
あるいは最初から二次創作にしか見えないオリジナルを創って、二次創作者にも大衆にもそのまま楽しんでもらう手法だって生まれた。
ショートメディアの台頭により爆発的に二次創作者が増えた時代、もはや直接大衆が音楽の良し悪しを評価する意味がなくなりつつなる。
確かに単純接触効果で何でも観てくれるのであれば、大衆に向けて「良い」作品をわざわざ創る必要はない。
最初からショートメディアのBGMとして使ってもらうための音楽を創ればいい。
欲に塗れた黄金狂時代に売るべき商品は、金を掘り当てるためのツルハシだ。
二次創作者には「このツルハシを使わないと金を掘り当てられませんよ」と恐喝すればいい。
大衆に向けて音楽を売っているフリだけして、ツルハシを食わせておけばいい。
食べ物じゃなくても、あいつらは食べるんだ。
「いや、よく分かんないけど、なんか企業もタイアップして流行らせてるから食べるんですよ」
って言いながら、あいつらは食べるんだ。
"あなたの祭には参加しません。"
概念がキョトンとした眼で私の心臓を覗く。
"私は皆にピザを食べてもらいたい。"
"ツルハシにケチャップなんて掛けても美味しくないから。"
”私は戻ります。そして届けます。ピザを食べてもらうために、走ります。”
一瞬の静寂の後、
「それがお前の"偉大なる航路(グランドライン)"なのか?」
と概念が問いかける。
その単語に少し懐かしさを覚えたが、同時に懐かしさなど覚えている場合でないことを知っていた。
"いいや、違う"
無意識に私の口から放たれた否定に、私自身が驚いていた。
だけど、知っている。私は知っている。
"私の祭に来てください。"
"本物のピザを見せてやりますよ。"
"食べて。熱いうちに"
空白の中心に静寂が座っている。
私は静寂の核を睨んでいる。
背景と同化した絵画になっていた概念はゆっくりと口を開いて
「おめでとう」
と呟いた気がした。
次の瞬間、眼前にはEnterキーに指を添えている私の右手があった。